あの日あの時...あの場所で









「で、何があった?」

正面に座る咲留が神妙な面持ちで聞いてきた。


「えっ?」

驚いて食べる手を止めた。


「瑠樹がこんなに弱ってるって事は何かあったんだろ?お兄ちゃんは丸っとお見通しだ」

と例のドラマの真似をして人差し指を突きだした咲留。


ちょっと...ウザい。



私は食べるのを止めて、蓮華をランチョンマットの上に置いて咲留を見る。


「...ん...それが...」

言って良いのかな...。


「一人で悩むより良いぞ」

こんな時、咲留はエスパーになるらしい。


「うん...」

やっぱり言いづらいよ。

豪に告白された事を簡単に話せる訳ない。

咲留の視線に堪えきれなくなって俯いた。



「...柊か···いや、豪か?」

咲留の声に顔を上げる。


「えっ?」

目を丸くして自分を見つめる私に、咲留は言葉を続けた。



「豪に告白でもされたか?」

咲留の言葉に息が止まった。


「...っ..どう..して」

分かったの?

声にならなかった声。

不思議そうに咲留を見上げた。



「やっぱりな。ようやく言ったのか」

ニシシと笑った咲留に、


「どう言うこと?」

と聞いた。


「あいつがお前を好きなことぐらい気付いてたし」

そんな得意気な顔されても。


「...嘘ぉ?」

「マジで。つうか、豪の気持ちを知らなかったのはお前ぐらいだろ」

なんて事をサラッと言われた。



「はぁ?」

意味分かんないんですけど。


「豪にすっげえ大事にされてきただろうが」

「...それは...うん」

「いくら、俺の頼みでも女嫌いの豪があんなに大事にするかよ」

「.....」

するかよ!とか言われても分かんなかったし。



「豪をよく知ってる奴は直ぐに気付いたはずだぜ。豪がお前に惚れてること。っうか、あんなに瑠樹ばっかり構ってたんだから、傍観してた連中も気付いてただろうしな」

普通気付くぞと憐れみの表情を向けられた。


「.....」

ズーンと沈む気持ち。


私ってば鈍感なんだろうか。


梅達も気付いてたのかな.....。


私だけ知らなかったって...どんなけぇ~!