あの日あの時...あの場所で












次に目を覚ました時、私は寝室のベッドの上に寝かされていた。


ゆっくりと瞼をあける。


どのぐらい寝てたのかな?

咲留はいるんだろうか?


額に乗せられた濡れタオルに手を当てて、重怠い上半身を起こした。


どうやら、オレンジの間接照明に照らされた寝室には私以外の存在は居ない。


「喉乾いた...」

掠れた声が出る。


静かに体を動かして、ひんやりとしたフローリングに足を下ろす。


冷たくて気持ちが良いと感じるって事は、私の体が発熱してる証拠なんだろうと思う。


額に乗ってたタオルを握りしめて、ゆっくりと立ち上がるとリビングへ向かうためにドアへと向かって歩き出した。




ガチャリと引き開けたドア。


途端に明るい光に包まれる。

眩しさに目を細めて、静かに足を踏み出した。



リビングのテレビの音が遠慮がちに響いてるリビングには、咲留の姿はない。


でも、咲留の荷物がソファーに置かれたままだから帰ってはないと思うけど。


それに、シスコン咲留が具合の悪い私を置いて帰るなんてまず考えらんないよね。



一先ず、乾いた喉を潤そうとキッチンへ向かう。


確か冷蔵庫の中にスポーツドリンクが入ってたはずだよね。







冷蔵庫の中からお目当てのペットボトルを取り出して、リビングのソファーに腰を下ろす。


背もたれに体を預けて、スポーツドリンクを口に運んだ。


冷たく冷えたそれは、喉ごし良く通っていく。


火照った体を体内から冷やすかのように、内蔵へと染み渡っていく。
 

よほど喉が乾いていたのか、中身を半分近く飲み干してしまった。



「あ~ぁ、生き返った」

水分不足でミイラになる所だったし。


ま、実際はそうならないけど。

そんな気分だったと言うこと。




蓋を閉めてペットボトルをテーブルに置くと、置きっぱしだったスマホを手を伸ばした。


チカチカ光それは、電話とメールの着信を告げてる。


指をスライドさせて、それを確認すれば梅達からのLINEやメールが。


それと豪達からも着信やメールが届いてた。


一つずつ内容を確認すると、皆が私を心配してくれてるのが痛いほどに伝わる文面ばかりで。


心配をかけちゃった事に胸が痛くなった。