あの日あの時...あの場所で










玄関でしばらく放心してた私は重怠い体を引きずってリビングのソファーに移動した後、テレビも付けないままソファーで項垂れていた。



何も手につかなくて。

ほんとさ、情けないけど、体が脱力して何も出来なかったんだ。




チャラララ~


リビングに響き渡った着信音。

テーブルに置いてあるスマホがチカチカと着信を告げてる。


長く鳴ってる事から、電話だと言うのは分かるけど。

手を伸ばす事が出来なかった。


ソファーで膝を抱えて小さく体を丸めたまま、着信を知らせてるスマホを見つめてた。


出なきゃ心配かけちゃうのは分かってるのに、今は外部との連絡を取りたくないと思っちゃう。


いっそ、このまま引きこもりになってしまいたい。


そしたら、何も考えなくても済むかな?


現実逃避だって思われても良い。

どうして良いのか...分かんない。



バカで狡い自分が嫌で仕方ないのに。

ミノムシみたいに固まってる私はどうしようもないね。




途切れる着信に、ホッと息をつく。

もう掛けてこないで、なんて我が儘に望む。



だけど、直ぐにかけ直されたようで着信音が再び響いた。


私の心を急かす。


出なきゃ...出なきゃ。


豪かも知れない。


告白の後に私に連絡つかないなんて、きっと心配する。



ううん、咲留かも知れない。


私が早退したって知って連絡したきたなら、心配かけちゃう。



早く...早く。


気持ちは焦るのに、体はちっとも動かない。