あの日あの時...あの場所で




咲留の趣味で用意されたに違いない制服。


案外可愛いので、敢えて何も言わなかったんだけどね?

胸元の細いリボンの下を、第2ボタンまで開けてたら、咲留に目敏く怒られた。


いやいや、膝上15センチのスカートは良いのにボタンはダメなのか!と突っ込みそうになったけどね?

苦しいので外したままにしてるけど、咲留は気に入らないらしい。




「今日は転校生を紹介する。お~い入ってきて良いぞ?」

奥野先生がこちらを見て手まねいてる。


すっごく軽いノリなのが、ちょっと不安。


だけど、立ち止まってる訳にいかないので、入りますよ。


「はい」

と返事して教室に入ろうとしたら、この人達はまたやらかした。



「やぁやぁやぁ、皆、元気しとったか?」

手を振って入っていった源次を筆頭に、ぞろぞろと教室に入っていく、私を置き去りに。


「今日は俺達のお姫様を連れてきたからな」

健のお姫様になった覚えはない。


「あ、綺麗な娘いるね?」

ちぃ君、目的が違うし。


ウインクしてんな!



「あ、瑠樹、入っておいで」

今思い出したのか、咲留!


猫撫で声でおいでおいでしないで。


ほら、教室の中、ざわめいてるじゃん。


本当にさ、この人達自由人過ぎるよね?



仕方なく足を進めて教室に入れば、一気に集中した視線。


もう...ヤダよ。

見世物になってるじゃん。


好奇の視線がチクチク刺さる。




「おいおい、お前ら自分が目立ってどうすんだよ?ここに通うのはジェンキンスだろ?」

ほらどけ、と瑠樹達を避けて私を前に出してくれた奥野先生。


ブーブー言いながら脇に退いた4人。



「彼女が転校生だ。自己紹介してくれるか?」

私を紹介した後、こちらを見た奥野先生に頷いてみせた。


教壇の前に立ち、クラスを見渡して口を開く。


「騒がしい登場ですみません。瑠樹.ジェンキンスです。よろしくお願いします」

頭をペコッと下げると、パチパチパチと疎らな拍手が聞こえた。



「ジェンキンスは、そこにいる二階堂の妹だから仲良くしてやってくれよ?こいつらうるせぇし」

奥野先生もきちんと牽制をかけてくれるのね。


顔を青ざめさせたクラスメイトを見て、普通の友達は無理ね?と諦める。


人とつるむことをあんまり好まないから、別に良いんだけどさ。


女の子って付き合い面倒だし。