あの日あの時...あの場所で







ポタリポタリとフローリングに落ちていく涙。


私はどうすればいいの?


本心は圭吾に連絡をしたい。

そして、理由を聞きたい。


だけど、豪達に何て言うの?


柊が私に隠してることが知りたいから圭吾に会う?

そんなこと言えるはずない。


だったら内緒で行く?

それもダメだよね。


ああ、こんな風に考えてる時点で私の心は決まってるよね。

圭吾に会うつもりで考えてしまってる。


三年前、凄く苦しかった。

柊と連絡が取れなくなって悲しくて寂しくて。

胸が張り裂けそうになった。

何日も泣いて過ごした。

気持ちを奥底にしまいこんで忘れた振りして、ここまで来たけど。


やっぱり理由を聞きたい。



「...豪、ごめん...私」

スマホを胸元で抱き締めた。




トントントン

ドアをノックする音にハッとなる。


慌てて手の甲で涙を拭った。


「...瑠樹、起きてるか?」

咲留の声にピクッと肩を揺らす。


不味い、咲留にバレちゃう。


慌てて手紙を拾ってポケットに押し込むと立ち上がった。


「あ...う、うん。起きてる」

涙声じゃなかったかな?


「そうか、良かった。朝飯買ってきたから一緒に食おうぜ」

「あ、うん。着替えたらすぐ行くね」

「おう、待ってる」

遠ざかる足音にホッとした。


咲留が来るって何時なの?

寝てないから時間の感覚が可笑しい。

掛け時計を見て驚く。

時計の針は朝の八時を指していて。


「はぁ...私ってば何してたのよ」

悩みすぎたわ。


やば、本当に着替えなきゃ。


ドレッサーに映る自分の姿を見て焦る。


昨日の格好のままだと、咲留に怪しまれるし。



洋服ダンスから適当に服をつかみ出すと、手早く着替える。

ポケットに突っ込んだ手紙は机の引き出しにしまう。


一先ず、考えるのは中止だな。

咲留と朝御飯食べなきゃ。


スマホと汚れ物を手に部屋を出た。