「お待たせいたしました」
そう言って店員が運んできた珈琲。
あ、注文したの忘れてた。
「ありがとう、お姉さん」
俺は微笑んでそれを受けとる。
頬を赤く染めた店員は何かを言いたげだったけど、俺は敢えて視線を逸らせた。
落胆して去っていく店員。
ごめんね?今は君になんて構ってられない。
さぁ、俺の計画はスタートだ。
人当たりも良くて人望も厚かった晴海なら、問題なく瑠樹ちゃんに手紙をきちんと渡してくれるはずだ。
すべてはそこから始まる。
俺は珈琲カップを持ち上げるとブラックのままの珈琲を口に運んだ。
口の中に広がる苦味が旨い。
晴海が消えた化粧室を眺めながら俺はほくそ笑む。
手紙を見て瑠樹ちゃんが連絡をくれるかどうかは、五分五分。
テーブルの上に置いたままの手紙に目を向けた。
キングを孤独から救えるのは君だけだよ、瑠樹ちゃん。
だから、俺の計画に乗ってきて。
そうしたら君に真実を伝えるよ。
そう...三年前の真実を....。



