源次、健、ちぃ君、咲留、もちろん咲留達を慕ってこの場所に集ってた人達皆の思いが募ったのこの場所は、とても神聖でとても大切な地。
それを豪達が引き継ぐ。
その志と共に。
この先にどんな出来事が有るのかは分からない。
だけど、夜叉の巣窟はきっと汚れなき居場所で有り続けるんだと思う。
「豪、この場所と仲間しっかり守るんやで?」
源次がいつになく真剣な瞳を見せる。
「はい。この場所を引き継ぐ限りは誇りをかけて守ります」
自信に満ちた顔でそう返事した豪が凄く格好よく見える。
ドキッとしちゃったじゃん。
男の顔をしてる豪は、ちょっと遠い存在に思えた。
「瑠樹もしっかり守れよ?悲しい思いさせんなよ?ここを拠点とするようになれば、面倒臭い敵も増えてくるからな」
ちぃ君は、煙草をふかしながら豪へと視線を向けた。
「ああ、分かってる。瑠樹は何があっても守り抜く」
豪はそう言うと私へと顔を向けた。
そして、ゆっくりと立ち上がるとこちらへと歩いてきた。
咲留と私の前に立つと、豪はその長い腕を伸ばして私を抱き上げる。
突然の事に、咲留は私を意図も簡単に奪われてしまう。
「だから、咲留さん。瑠樹は返してもらいます」
豪の低い声は色気を帯びていて、ゾクッと背中が泡立った。
「なっ、あ、てめぇ、瑠樹を返せ」
我に返った咲留は、豪の腕の中から私を奪い返そうとする。
「無理です。瑠樹を守るのは俺に引き継がれました。貴方は安心して任せてください」
そう言うと私を縦抱きしたまま、咲留に背を向けて歩き出した。
もちろん、元の席に戻るために。
「ククク...豪もやるときはやるな?」
楽しそうに口元を緩めて笑い出したのはちぃ君。
「あんなに女嫌いやって騒がれてた奴やとは思えへんな?」
ニシシと笑うのは源次。
「豪ばっかりずりぃ。俺も瑠樹ちゃん抱っこしてぇ」
と羨ましがるのは健。
そして、咲留は憤慨しながらもどこかほっとした顔で私と豪を見てた。
「そんだけ大口を叩くんなら、しっかりと瑠樹を守ってくれ。こいつをもう悲しませたくねぇんだ」
そう言った咲留は、きっと昼間の事を思い出してるんだと思う。
柊と一緒に居た私を見た時と同じように苦しそうな顔をしてる咲留に、申し訳ない気持ちで一杯になる。
こんなにも心配させてごめん。



