「お前達だから、この場所を任せるんだ。だから自信持てよ」
そう言ったのは私を膝に乗せたままの咲留。
せっかく格好いい台詞を言ったのに、私を抱っこしたままとか格好つかないし。
「咲留の言う通りや。これからはここの主になるんはお前らやで?しっかり気張りや」
源次がそう言って口角を上げた。
「「「はい」」」
豪達の返事。
「俺達と一緒にここを卒業する奴も多いけど、残る奴も沢山居る。そいつらの事を頼むぞ。それとこいつも...瑠樹を頼むからな」
咲留が真面目な顔で、豪を見た。
「もちろんです。ここの仲間も瑠樹も守ります。咲留さん達の意思は必ず引き継ぎます」
そう言った豪の瞳に偽りはない。
「豪、気合いいれろよ?敵は常に動いてる」
ちぃ君の真面目な声は久々に聞いた。
「ああ、兄貴に言われなくても分かってる。この場所で頂点に立つことの意味を胸に叩き込んでるつもりだ」
豪の声は自信に満ちてる。
元々大きな体格の豪が、もっとずっと大きく見えた。
男の子の世界は、乱暴で怖い部分も多けれど、こんな風に格好いい部分を見せつけられたら、羨ましいと思えてしまう。
咲留達の作り上げた世界は、しっかりと豪達に引き継がれていく。
拳で語り合う世界を綺麗事では語れないけれど、信頼に道引かれてこうやって集まってくる仲間が居る世界を素敵だと思えるんだ。
女である私が望んでも手に入らない何かを、豪や咲留達は確かに持っているんだから。
語り合う皆を、私は微笑んで見つめていた。



