あの日あの時...あの場所で








「説明はいらねぇ」

ほら、咲留が不機嫌になった。


「あ...えっと..その、妹さんはどうですか?こう言うのは似合いそうですよ」

ってか、私に振るの?


妹って決め付けてる辺りがウザいよね。

ま、妹には違いないんだけど。



「自分で欲しいのを選ぶので下がってもらって結構です」

私は優しくないのでごめんね?

貴女がこれ以上側に居ると咲留の機嫌が益々悪くなりそうだからね。



「えっ?...あ、そ、そうですか..で、でも..あの..」

咲留をチラチラみながら、しつこく食い下がってくる店員。


「本当に良いんで。咲留と選ぶので、ね?咲留」

そう言って隣に居た咲留の腕に抱き着いた。

普段ならあんまりしないんだけどね?


「ああ。そうしような」

咲留は嬉しそうに微笑むと私の頭を優しく撫でた。



「...分かりました...では、ごゆっくり」

残念そうにしながら去っていく店員に溜め息が漏れた。


「...疲れる」

ああいうタイプの人。


「確かにウザい女だな」

うんうんと同意する咲留。


咲留の腕から手を離して、ショートパンツを手に取って見ていく。


「えぇ、もう手を離すのかよ」

そんな残念そうな顔されても困る。


ちょっとしたお芝居だったし。


「何が楽しくて咲留に抱き付いてなきゃいけないのよ」

小声でそう言った私に、


「最近、俺の扱いが雑だよなぁ。絶対豪のせいだ」

と意味不明な事を言い出した我が兄。


面倒なので放置することにする。



「あいつが、俺の役目を奪ったからだな、絶対...」

ぶちぶちと独り言を言ってる咲留。


豪に私の面倒を頼んだのは...間違いなく咲留だと思うんだけどね?


「今日会ったら苦情言ってやる...」

なんの苦情よ?


「咲留、煩い」

独り言が大きいのよ。


「おっ、ああ..ごめん」

そんな眉を下げられても困るけど...静かにしてくれるならそれで良いけど。


咲留を尻目に再びショートパンツを選び始める。


最終的に決まったのは白いショートパンツと、薄いブラウンのサロペットパンツ、七分な丈で良い感じ。


咲留の持ってたワンピースと一緒にお買い上げしてもらった。



「ありがとうございましたぁ。またお越しください」

店の入り口までやって来たのは店員は笑顔で咲留だけを見つめていて、最後まで咲留にアピールするんだね。


最後まで色目を使うんだと溜め息が出た。