それから少しして、いつくかあるモーニングセットからBセットを注文した。
咲留はAセット。
ほどなくして運ばれてきたそれは、湯気が立ち上ってててとても美味しそうだった。
「「いただきます」」
咲留と手を合わせて少し遅めの朝食を取り始める。
「美味しい」
ふわとろのスクランブルエッグも、噛みきった時にパキリと音のするウィンナーも凄く美味しかった。
「ああ、上手いなぁ」
咲留は、フォークで突き刺したミニハンバーグを一口で口の中に放り込む。
食事は思いの外楽しく進む。
やっぱり美味しい物は人を幸せにするよね。
「瑠樹、最近困ったことねぇか?」
と聞かれ、
「特にない」
と返す。
豪達が側に居てくれるから、本当困らないんだよね。
「だったら良いけど。なにか変わった事があったら言えよ」
「うん、分かった」
変わった事なんてあるわけないし。
学校が休みになって、ほとんど豪達と行動してるしね。
「ねぇねぇ、キングの噂聞いた?」
「あ、聞いた聞いた」
隣の席から聞こえてきた声に、ピクッと眉が反応する。
だけど気にしない振りをして、食事を進める。
「本命が出来たんだよね?」
「そうみたいね。なんでも、周りに居た女の子全員と手を切ったらしいよ」
「いやぁ~ん、羨ましい」
「だよねぇ」
不意に向けた視線の先に居るのは、キャピキャピする厚塗りのギャル達。
ズキンと胸の奥が痛んだのは気のせいだ。



