「ここは先輩のお母さんの料理の趣味が講じて、オープンしたカフェなんだよ」
「へぇ」
咲留の説明に相槌をうつ。
趣味からカフェにまで発展するって凄いな。
「うちのお袋凝り性で、ヨーロッパまで勉強に行ったんだよ。だから、味は保証するよ」
うわ、ウインク飛ばしてきた。
「そうなんですか」
さっき貰ったメニューを開いてみた。
モーニングセットの写真が載せられていて、どれも美味しそうだった。
「決まったら呼んでね。ほら、連も働くわよ」
美保子さんはそう言うと片桐さんの腕を掴んでカウンターの方に戻っていった。
「えっ俺は瑠樹ちゃんと話したかったのにぃ」
名残惜しそうにこちらを見てるけど、満員の店内を見てしっかりと働いた方が良いです。
「やっと二人になったな。悪い人じゃねぇけど、ちょっと煩いんだよあの人」
頬杖をついて、忙しそうに動き回ってる片桐さんに視線を向けた咲留。
「フフフ...楽しそうな人だよね」
「ああ。ゼミでも盛り上げ役だったしな。あの人が主催で良く飲み会もやってたし」
「あ、そんな感じする。軽いノリで遊んでたっぽい」
「おお、その通り。ふわふわどこ吹く風だった人なのに、大学卒業と同時に美保子さんと結婚して、母親と三人でカフェまで開いちまった」
片桐さんの話をする咲留はどこか嬉しそうだった。
それだけで、咲留が彼を慕ってたんだと分かる。
「なんかそう言うの素敵だね。片桐さんと美保子さん幸せそうだし」
カウンターで小声で話をしてる二人に目を向けた。
ああ言うのを幸せが滲み出てるって言うんだと思う。



