あの日あの時...あの場所で






「貴方、いつまでお客様を立たせておくつもり、早く席にご案内して」

ウエイトレスさんの声にはっ!となる男性。


「あ...あぁ、そうだな。こちらへどうぞ」

慌てた様子で奥の席へと案内してくれた。


一番奥の席は窓からカフェの裏側の川を一望できる様になっていて、眺望はとても良かった。



咲留と私は案内して貰ったテーブルにつく。


「こちらがメニューです」


「ありがとうございます」

差し出されたそれを受けとるとニコリと微笑んだ。



「うわっ!この可愛らしさなんだよ、咲留」

ニタリと笑って肘で咲留を突っつく男性に、咲留は満面のの笑みで答える。


「でしょ?でしょ?この可愛さは天使級」

本気で恥ずかしいからそろそろ止めようか?


「..んっ..ゴホッ」

対面に座る咲留に黒い笑みをプレゼントする。



「...っあ、そ、そうだ。この人は俺の大学のゼミの先輩で片瀬さんだ。片桐さん、妹の瑠樹です」

苦し紛れに男性を紹介してくれた。


「やあ、片桐連(カタギリレン)です、よろしく」

ワイルドな笑みを向けられた。


「瑠樹です、こちらこそよろしくお願いします」

微笑んでからペコッと頭を下げた。


「うわぁマジで可愛いな?本当フランス人形見てぇ」

口元に手を当てて私を興味津々に見つめる片桐さん。


「なに騒いでるのよ?」

パコンと片桐さん後頭部を銀のトレーで殴ったのは先程のウエイトレス。


「違う、美保子見てみろ。咲留の妹の可愛すぎるぞ」

人を指差しちゃいけないって、習わなかったのか?


「あら、本当可愛いわねぇ。こんな綺麗な子なかなかおめにかかれないわね」

グイッと顔を近付けて来たウエイトレスに思わず腰が引ける。


つい冷めた視線を向けてしまう。


どうしても、このノリが苦手なんだから仕方ない。



「二人とも落ち着いてくださいよ。瑠樹が怯えます」

咲留がどうにか止めてくれた。


「あら、ごめんなさい。私は怪しくないのよ?一応、こいつの嫁やってます。美保子よ」

美保子さんはウフフと綺麗に微笑んだ。


「...あ、瑠樹です」

会釈した。

本日二度目の挨拶です。