柊.....こんな時に貴方を思い出してしまう。
あの頃、私の唯一の支えだった柊。
貴方がずっと側に居たら、今の私は変われていたかな?
誰よりも柊が好きだったよ。
『大丈夫だ』と言いながら抱き締めてくれる貴方の腕の中だけが私の居場所だった。
しまいこんだはずの思いが漏れ出てくる。
どうして今さら再会してしまったのかな?
貴方が居なくても過去と向き合える様に成らなきゃいけないのにね?
どんなに強がっても、心の奥は弱いままだ。
夕飯を済ませた私は、パパの言った通り遅くならないうちにマンションへと送って貰った。
本当なら、今日は屋敷に泊まるはずだったんだけどね。
私はまだあの屋敷では過ごせないみたい。
マンションへ送ると言う機転を効かせてくれたパパには感謝だ。
あのままあの場所にいたら、私は過去の闇に引きずり込まれていた。
本当に.....弱い。
私は今も昔も変わってない。
弱い子供のままだ。
皆に守られるだけの、弱い存在。
情けないなぁ。
変わりたい...変わりたいよ。
過去とも柊とも、決別しなきゃ。
マンションのベランダから暗闇に沈む街並みを見おろす。
どうすれば、過去から逃げられるんだろうか。
ねぇ、柊。
私は何も変われてない。
情けないほどに...あの頃のままだ。



