昼間の熱を含んだ風が、公園の砂を渦を巻いて舞い上がらせる。
瑠樹の居なくなった公園に、俺は一人立ち竦む。
「あいつ、俺に気付いてたよな?」
チッ...やっぱり侮れねぇ。
瑠樹の隣は自分のモノだと見せ付けたかったのかよ?
親しげに寄り添いながら歩く二人が目について離れねぇ。
瑠樹は俺のだったのに。
あんな奴に隣を奪われてる。
嫉妬なんてする資格はねぇのは分かってるけど。
沸き上がるこの苛立ちを抑えらんねぇんだ。
瑠樹.....自分勝手でごめんな。
再会しなきゃ、良かったのかもな?
そうしたら、こんなに苦しい思いを知らずに済んだ。
蓋をして心の奥にしまいこんでた思いが解き放たれちまったらしいわ。
お前が欲しい、この腕の中に。
勝手だと罵られても、もう抑えられない。
この薄汚れた手で、お前を奪いにいく俺を許してくれ。
広げた両手を見つめる。
チャラララ~
静香な公園に響き渡ったのは、購入時に設定されてる着信音。
俺はポケットからスマホを取り出してタップする。
「俺だ」
『キング、今どこ?』
圭吾の声に、
「公園」
とだけ返す。
『あっそう。出来たら早く帰ってね』
「今、戻る所だ」
『なら良いけど。思い人には会えた?』
電話の向こうでクスクス笑う圭吾。
「...チッ、うっせぇよ」
圭吾に行動が見透かされてた事がうぜぇ。
『ククク...ま、素直になってよね。俺はキングの味方だからね』
「...フッ..だったら、しっかりと役に立てよ」
『了解』
満足そうに返事した圭吾の声を聞いて、スマホをタップした。
さぁ、帰るか、俺の居場所へ。
ポケットにスマホをしまいこんで歩き出す。
バイクを停めてる裏門へ向かうために。
もう知るか、不幸だろうと何だろうと、欲しいものは欲しい。
瑠樹の為にと考えて行動したガキの俺はもう居ねぇ。
欲しけりゃ、欲張りゃいいんだよな?
狼王になんて持ってかれて堪るかよ。
あいつは俺のだ。
誰にもやらねぇ。
東から迫ってくる闇に目を向けた。
それまで侵食していた朱は黒に飲み込まれていく。
黒が俺で、赤は瑠樹。
侵食して飲み込んで、この手に入れる。
フッと口元を緩めた俺の姿を見たモノは居なかった。
柊side.end
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