あの日あの時...あの場所で









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クラブへ向かう道すがら、俺達を囲うように出来る人垣。

キャーキャーと黄色い悲鳴を上げる女達に嫌気が差す。

我先にとアピールをする女達は、今日の俺の相手になりたいと必死だ。


何時もならこの中から、一人性欲処理に利用していた。


俺の中の女の位置付けなんてそんなもの。

溜まった物を吐き出す為の道具にしか過ぎない。

愛情をかけるに値しない。



それを分かってて、簡単に股を開く女が五万と居るんだからおかしなもんだ。


まぁ、そんな女を抱いてた俺も腐ってるけどな。


キャーキャーと騒ぐ女を気難しげに見渡した。


ダメだな、今日も俺の性欲を揺さぶる女は居ない。

最近どうも変だ。


媚を売る女を性欲処理にすら利用したいと思わなくなった。


この年で機能不能になったのかと、悩むほどに反応しねぇ。


心も体も、女を欲しがらねぇんだ。



どうしてか?なんて理由は分かってる。


だけど、認めなくなくて...何度か女を抱こうとした。


でも、いざとなったら反応しねぇんだ。


どんな綺麗な女も可愛い女も、セックスの上手い女でさえも、俺の息子を呼び起こすことが出来なかった。

マジで...機能不全だ。


男としてどうかとは思う。

ま、出来ねぇモノは仕方ねぇから、もう女を無理に抱くことも止めた。


それに俺が声をかけなくなったことと、圭吾が流した噂で、直接俺に声をかけてくる女も減った。


ま、こうやってあからさまなアピールは無くならねぇけど。


たまに、自分に自信のある女は俺に声をかけてくる。


こんな風に....。


「キング、そろそろ相手をしてくださらない?」

人垣から抜け出てきた女が俺の目の前に立つ。

開いた胸元、体の線を協調する服を着た女は長い黒髪を揺らして俺を上目使いに見上げる。

歳上に見えるこの女は、自分の魅せ方をよく知ってる。


「.....」

俺は無表情のまま女を見下ろす。


「私ならキングを満足させられます。ぜひ一夜の関係を」

厚い唇を三日月に細めて妖艶に微笑む女は、かなりの美人に分類される。

だけど、俺の触手はピクリとも動かない。


ダメだな...こいつもないわ。

前の俺なら、迷わずに食ったけどな。



興味を無くした俺は女から視線を逸らすと歩き出す。


女を放置して。