あの日あの時...あの場所で






過去にすがり付いてるのは...私だけ。

柊はもう私なんて.....過去の存在に過ぎないのにね。


同じ過去なのに道を違えた今は、違う記憶に変わるんだね。



柊......柊.....。


私は貴方の側に居る資格がないと言うのに、貴方の記憶の隅に小さくても良いから残りたいと思ってしまう。


誰にもこんな思いを抱えてること知られちゃいけない。


豪までも、裏切ってしまう事になってしまうのだから。



誰も居ない公園は心の隙間を更に寂しくさせる。

無意識に見下ろした先、足元の砂ぼこりが風に舞い空へと巻き上がった。

思わず瞑った目。


背後に感じた微かな空気の揺れ。

慌てて振り向こうとした私の頭は、誰かの手によって押さえられる。


ヤバい...瞬時に感じた恐怖。


だけど、少しだけ...もしかして?なんて思ったりもした。


そんな訳ないのに、敵地に大将が乗り込んでくるはずないのに。




「...んなとこで、何してんだよ?」

聞きなれた声にほっとした様な、落胆したような複雑な気持ちになる。


「...どうしてここに居るの?豪」

と言えば、豪は背後から覆い被さるように私の顔を覗きに込んできた。



「この辺りを見回りで流してたら、瑠樹に良く似た奴が公園に入ってくのが見えた」

「フフフ、そうなの?」

「ああ。つぅか、一人で危ねぇだろ?」

そう言いながらベンチを回り込んできた豪は、隣に座った。



「大丈夫だし。ほら、屋敷はそこよ?」

公園の木々の向こうに見える屋敷の屋根を指差した。


「ん、問題じゃねぇし。ったく、危機感が無さすぎる」

髪をガシガシと撫でられた。


「豪こそ、心配しすぎ」

フフフと笑った。

私の周りは心配性の集まりだと思う。