あの日あの時...あの場所で









「うわぁ~、お姉さんの所は凄く綺麗に出来てるねぇ?」

愛らしい声に視線を向ければ、7、8歳の女の子が私の手の中にあるソーセージを見ていて。


「フフフ...そう?」

自分でも上手く出来たと思ってたので嬉しくなった。


「うん。うちなんかとは比べ物にならないよ」

と嫌そうに顔を歪めて、両親の居るテーブルへと視線を向けた女の子。


ソーセージを鍋に放り込みながら、そちらに視線を向ければ、ママらしい女性がアタフタしながら、まだ羊腸にソーセージを詰めてる所だった。

それをパパらしき人も頑張って手伝ってはいるけど...夫婦揃ってかなり不器用そうだ。



「いつ食べれるの分かんないよ。お腹減ったなぁ」

と肩を落とす女の子。


「...あ..手伝おうか?」

なんだかね、女の子が少し可哀想に思えちゃって。


「えっ?本当!」

うわぁ、そんなに瞳を輝かせて見られちゃうと困ります。


「うん、これを入れ終わったら手伝うよ」

トレーに並べてあるソーセージに目を向ける。



「ありがとう、可愛いお姉さん。ママぁ~このお姉さんが手伝ってくれるってぇ」

私にお礼を言った女の子は、大きな声で伝えると母親に手を振った。


あ...お母さんの瞳も輝いた。


四苦八苦していたから、手伝いが来てくれる事がよほど嬉しかったんだね。



「ありがとうございます」

なんて夫婦で頭を下げられたので、


「あ...いえ、すぐいきます」

と会釈した。


残りのソーセージを手早く鍋に放り込むと壁の掛け時計で時間を確認した。


15分茹でて出来上がりだからね。



それから、女の子に手を引かれて一つ奥のテーブルへと向かった。