あの日あの時...あの場所で







こめかみに伝う冷たい何かに目を覚ます。


指先で触れてみれば、そこには涙の伝った後。



「...泣いてた?」

夢見が悪かったのかな?


見ていた夢は覚えてないけど、胸の苦しさは残っていた。


気だるさが残る体を起こしてベッドに座る。


重い頭とよく分からない気持ちの乱れに困惑しながらも、凝り固まった体を伸ばすために伸びをした。


「...うぅ~ん、体がカチカチだ」

寝起きの体は思いの外言うことを聞かない。


チュンチュンと囀ずる鳥の声に窓に視線を向ければ、カーテンを閉め忘れた窓から眩しいぐらいの朝日が差し込んでいた。


いつの間にか眠った私は、いつの間にか朝を迎えていたらしい。


寝てたのに、体がダルいとか勘弁してほしい。



心の中で悪態をつきながら、ベッドから降りて冷たいフローリングに足をつけた。


ひんやりとするそれに、ほっと息をつきながらもリビングへ向かうために足を進めた。






ドアを開けて足を踏み入れたリビングは、閉めきっていたせいでムッとする暑さに支配されていた。


クーラーの掛かった自室から出たもんだから、それが余計に感じられた。


「...暑すぎでしょ?」

ブチブチ言いながらも、壁際の空調のボタンを操作した。


シャワーでも浴びよう。


戻ってくる頃にはクーラーも効いてるでしょ。



レストルームに向かいながら、何となく見上げた掛け時計。


時刻は午前中10時を指していて。


夢見が悪かった割りには結構寝てたんだと知る。


思いの外、私の神経は太いかも知れない。


フッ...自嘲的な笑みを口元に浮かべた。


胸の奥がチクチク痛いのは気のせいだ。

覚えてもないのに残る後味の悪さに嫌気がさす。


本当、この所可笑しい。


豪や皆に余計な心配までかけて、私は何をしてるんだろうね。


  
「あ~ダメダメ。しっかりしなきゃ」

パンパンと両手で頬を叩いて気合いを入れる。

温めのシャワーでスッキリと洗い流そう。


汗も、この胸のモヤモヤも。


今度こそレストルームに足を運んだ。