「ど...どう言う事...?」
あ、まだ居たんだ。
服を着こんだ女が潤んだ瞳で俺を見ていた。
「言葉のまま。キングには本命が居る。だから、今後は近付いてくるなよ」
俺は笑顔でそう教える。
可愛いお姫様の為に、害虫は早めに駆除しておきたいからね。
「そっ...そんなぁ..キングは誰にも...本気に...」
女は声を震わせて言葉を繋ぐ。
「ああ、その通り。求めていたお姫様以外に本気になる必要は無かったからね。やっと見つかったんだ、キングのお姫様がね。だから...消えろ」
俺は胸の奥から込み上げてくる喜びを表情に反映させる。
「...っ...」
下唇を噛み締めて嫉妬に狂った顔をした女は背を向けると部屋から飛び出していった。
あの女は上手い具合にスピーカーとなる。
上手く広めてくれよ。
キングの本命説を。
無駄な害虫はもう群がってくる必要は無いんだ。
あの女が広めるであろう噂に、俺はほくそ笑む。
噂は広がり大きくなる。
そして、狼王の元へも届くだろう。
噂はあらぬ方向へと事態を急転させていく。
良くも悪くもお姫様を揺さぶるのには十分だったが、二人を遠回りさせてしまう原因になるなんて、この時の俺は気付いていなかった。
圭吾side.end
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