あの日あの時...あの場所で





数年、私達は寄り添うようにして生きてきた。


柊が支えてくれたから、私は屋敷での辛い仕打ちにも堪える事が出来ていたんだと思う。


とあることから、メイド達の私への仕打ちに気付いた咲留によって、全てが明るみに出た。


報告を聞いたパパは激怒して、私に対して悪意ある仕打ちをしたメイド達を調べあげ、事情を聞き出し証拠を揃えて虐待として警察に届けた上で関わった全員を解雇した。


全てが良い方向へと向かっていった。


私をいつも支えていてくれた柊の存在は、咲留の知るところとなり、私を守ってくれてた柊を弟の様に可愛がってくれるようになった。


ようやく、幸せになれた気がした。


シスコン咲留と、大好きな柊と、優しいパパと。

多くは望まないから、三人と生きていきたいと願っていた。


だけど、事態は急転していった。


家出同然に家を飛び出していたママを探していたおばあ様が私の存在ととママの死を知ったのだ。


アメリカで資産家として財を成していたおばあ様が、パパに私を引き取りたいと接触してきた。

初めは会う事すら嫌がっていた私だけど、私に会いたいが為にパパの会社を揺さぶろうとしているおばあ様の存在を知って会う事にした。


初めはなんて酷い人だろうと思ってた。


だけど、おばあ様はとても寂しい人だと知ったんだ。


お祖父様を随分前病で亡くしたおばあ様はいつも孤独の中にいた。

一人娘のママはようやく見つけたと思ったら亡くなっていて、失意の中に居たときに唯一血の繋がった私の存在を知ったのだと言う。


有り余るお金を持っていたおばあ様は、とても孤独でとても寂しい人だったと知った時、私はおばあ様を拒絶することなんて出来なかった。

誰よりも孤独を知っていた私だから、おばあ様を一人にしたくないと思ってしまったんだ。


だけど、柊とも離れたくなかった私は思い悩んだ。


そんな時に、おばあ様は自分の力を使ってパパに圧力をかけた。


パパの会社はたち行かなくなり、私は決心をするしかない状況へと追い込まれた。


そして、私はおばあ様の元へと引き取られる事になってアメリカへと渡った。


後になっておばあ様が自分が悪者になることで、私に日本を去る罪悪感を持たせないようにしたのだとおばあ様の秘書から聞いた。


一年だけ私と暮らす事が出来たら日本に返すつもりだったとも教えてもらった。



誰よりも孤独だったおばあ様は、血の繋がった孫との一時を切に願ったんだ。