あの日あの時...あの場所で







さぁ、話そうか。


私の過去と...彼との過ごした時間を。



「少し長くなるけど、聞いて欲しい」

そんな言葉から話始めた。



私は生まれた時から父親の居ない私生児だった。

ママと家庭のあるパパの一夜の過ちで私が出来た。

妊娠した事を知ったママはパパを困らせたくなくて、一人で生む決意をして姿をくらました。

その後私が生まれ、母一人子一人でやってきた。

貧しかったけど、ママの愛情を沢山受けて育った私は幸せだった。

だけど、それは長くは続かなくて。


ママが過労で病に倒れ、呆気なくこの世を去った。


そして、その頃、ママと私の存在を探しだしたパパが現れた。


小学生だった私はパパの元へと引き取られ、認知してもらい二階堂家で暮らすことになった。


咲留の母親は私が引き取られる前に他界していたので、私を認知することに何も問題はなかったらしい。


咲留は腹違いの妹を忌み嫌う事ともなく大切にしてくれた。


だけど、古くから二階堂家に使えるメイド達にとって私の存在は忌々しいものだったらしく、嫌がらせやあからさまな意地悪が横行した。


パパや咲留に気付かれないように、私だけをイビる人達。


新しい学校に新しい環境。


変わってしまった全てに馴染めなかった私は、人との接触を極力避けるようになった。


そんな私に、メイド達の仕打ちは酷くなるばかりで。

どうやって噂を流したのか、新しい学校にも私は愛人の子供だと言うのが知れ渡り、私の居場所はますますなくなった。


傷つけられることを恐れて一人で過ごしていた私に唯一声をかけてくれてのが上加茂柊(カミガモシュウ)。


西で悪名高いキングだ。


彼も私と同じ私生児で母親と二人暮らしをしていた。


同じ境遇にあった私達は、自然と仲良くなった。


柊が常に私の側で私を守るようになって、学校でのイジメは無くなった。


柊はあの頃から、喧嘩も強くて誰からも一目を置かれてる存在だったから。


仕事で家を空けがちな柊の母親。

その為に一人で過ごす事が多かった柊、二階堂の屋敷で嫌がらせを受け続ける居場所のない私。


二人で支え合うように同じ時間を過ごすようになるのは、自然の成り行きだった。


学校でもそれ以外でも二人はいつも一緒だった。


言葉にはしなくても、いつしか互いに思い合っていった。