あの日あの時...あの場所で









「どうしたんですか?」

「何かあったんですか?姫」

テイクアウトした飲み物をトレーに乗せて店の外に出てきた私に慌てて駆け寄ってきた護衛の三人。


こんなに蒸し暑い中、外で待機してくれてたのかと思うと、本当に申し訳ない。



「あ、ううん。そうじゃないの」

額に汗をかいてる三人を見てニッコリと微笑む。


三人は頭に?を浮かべて私を見下ろしていて。



「これ、良かったら飲んで。暑いから待ってるの大変でしょ?」

とトレーを差し出した。


「えっ?良いの?」

一人がそう聞く。


「もちろん」

と頷いたら、

「「「ありがとう」」」

と三人がそれぞれ飲み物を手にした。


「あっさりとした方がいいと思って、レモンスカッシュにしたんだけど、三人とも飲める?」


「もちろんです」

「はい」

「姫のくれたものならなんでも飲みます」

三人が微笑んでくれた。


「良かった。じゃ行くね」

三人に手を振って背を向けた。


「「「ありがとう」」」

背後から聞こえた声にフッと口元を緩めてカフェのドアを開けた。










「おかえりぃ」

戻ってきていた楓が声をかけてくれた。


「ただいま」

フフフと微笑んで元の場所へと座る。


「彼らのあの嬉しそうな顔」

窓の外を眺める梅の目には、さっきの三人の姿。


「瑠樹に飲み物を貰ったのよほど嬉しいのね」

桃子はフフと笑うとケーキを頬張った。


「暑かったから喉乾いてたのよ」

三人に視線を移せば、ジュースを飲みながらヒラヒラと手を振ってくれた。



「本当に瑠樹ちゃんは皆に大切にされてるねぇ。豪様も瑠樹ちゃんには激甘だし」
 
フォークを口に銜えた楓が羨ましいって顔でこちらを見た。


「それは咲留に頼まれてるからよ」

彼らの尊敬する咲留が直々に私の事を頼んだんだから、無下には出来ないだろうしね。


王凛で過ごすようになって知ったんだけど、シスコン咲留はかなり皆に慕われてる。


ちょっと驚きだけどね?


あれのどこに威厳があるのかは分からないけど。


「それだけでもないと思うわよ。彼らはきっと瑠樹自身が好きだからよ」

梅は優しく微笑んでくれる。


「だったら嬉しいけど」

「絶対にそうだよ。私達みたいに瑠樹が好きなんだと思うよ。じゃなきゃこんなに暑い中、嫌な顔一つしないで護衛しないと思う」

桃子の言う通りだったら嬉しいかも。