あの日あの時...あの場所で








私と梅は3つほど、ケーキを皿に乗せてテーブルに戻った。


桃子と楓は戻ってこない。


「あの子達に合わせてたら、食べる時間が減るから先に食べましょ」

と言う梅に頷いてフォークでケーキを掬いとって口に放り込んだ。


「うわぁ、甘くて美味しい」

思わず頬が綻んだ。


「そうね、美味しいわね」

頷いた梅も優しく微笑んでた。


「だね?」

と何となく窓の外に向けた視線。


護衛についてくれてた男の子達が、建物の影からこちらを見ていた。


あ...こんなに暑いのに待ってくれてるんだ。


自分がクーラーの効いた涼しい所に居るのが申し訳なくなる。


「どうかした?....あ、彼ら...ね」

私の視線の先を辿った梅が、護衛の男の子達を見つけた。


「うん。暑いのに、本当申し訳ないなぁ」

豪の治める街ならそんなに危なくはないと思うんだけどなぁ。


「森岡君は、本当に瑠樹を大切にしてるわね。もちろん、森岡君だけじゃなくあの護衛についてくれてる男の子達もね」

梅は頬杖をついてこちらを見た。


「豪も皆も過保護過ぎるよ。そうそう危険は潜んでない気がするしね」

「ま、確かにそうだけど。彼らが把握しきれていない敵が迷い込んでることもあるから、心配なんじゃないかしら」

梅の言うことは正しいと思う。


私達が各街を自由に移動できるように、豪と敵対する人達も自由に行き来出来るもんね。


「それは分かってるけどさ。あんな風に待たれるのはさすがに気が引けるよ」

「ま、それはそうね」

苦笑いした梅。



「あ、ちょっと待ってて」

そうだ、飲み物でも差し入れよう。


炎天下の中、絶対に喉が乾いてるよ。


「どうかした?」

急に立ち上がった私を不思議そうに見上げた梅。


「ジュース差し入れてくる」

そう言って鞄の中から財布を取り出してレジへと向かった。


飲み物もテイクアウト出来たよね、確か。