あの日あの時...あの場所で







ジリジリと照り付ける太陽。

じんわりと滲んでくる汗。


止まってしまった海風に、ゆっくりと目を開けた。


額の汗を指先で拭った。



「暑ぅ~い」

上半身を起こして周囲を見渡せば、そこは海水浴で。


うん、泳ぎに来てたっけ。



楽しそうに水遊びする人達の声がこだましてる。

キャッキャッと遊ぶ小さな子供の声も辺りに点在していて、皆楽しそうだ。



こんなに騒がしい中でよく寝てたと自分でも思う。


隣の豪は、まだ寝てた。


フッ...眠ってる時は高校3年生の顔をしてるんだね?

綺麗な顔立ちの豪は、普段は大人びて見えるから。


幼さの残る目元に笑みが漏れた。


自分の腰にかけていたバスタオルを豪のお腹にかけ直して立ち上がった。



バーベキューも佳境に差し掛かってるらしく、鉄板の上の主人公は、お肉から焼きそばへと変貌していた。


王凛メンバーも殆どが遊びに行ったのか、テントに残ってるのは数人で。


バーベキューが始まった頃から、ナンパと言う遊びに出掛けた大翔はまだ帰ってない様子だ。


夏樹は....あ、居た居た。


テントの隅でレジャーシートに座って眼鏡を磨く夏樹に歩み寄った。



「眼鏡拭いてるの?」

突然出来た影に夏樹は上を見上げる。


「瑠樹さん、起きたんですか?」

優しく微笑んでくれる。


「うん。さすがに暑くて」

水着姿でも、7月の太陽は容赦なく暑い。

汗でベタベタする体がキモチ悪いし。


「ここで寝るには確かに限界がありますね」

そう言って拭いていた眼鏡を装着した。


夏樹って細マッチョなんだな、何となく思った。


服を着てる時の夏樹は華奢そうに思えてたけど、こうやって海パン姿だと引き締まった筋肉がしっかりとついてる。


「夏樹も男の子だったんだね」


「へっ?どういう事ですか?」

驚かれた。

そりゃ、急に変なこと言われたら驚くよね。


「あ、結構筋肉あるから」

目線は夏樹の胸板へ。


あ...私、変態じゃないよ?