あの日あの時...あの場所で







「このテントの半径三メートル以内に近寄った方々は容赦なく排除いたします。余計な手間を取らせる事の無いようにお願いしますね」

明らかに怒りを含んだ夏樹の声にキャーキャーと黄色い悲鳴をあげていた女の子達は、顔を青ざめさせて後退する。


それでも、誘うように水着姿を強調するように体をくねらせる彼女達は、中々の強者じゃないかと思う。



「私達と遊びません?」

「大勢の方が楽しいですよね?」

「なんでもお手伝いしますよ」


どれだけ一緒に遊びたいのよ。


必死な彼女達に笑みが漏れる。


「必死過ぎ...フフフ」

あ、私の呟きが聞こえた人達に睨まれた。


「なによ、あの子、可愛くないくせに」

「良い気になってムカつく」

「不細工の癖に」

あらら、酷い言われよう。



「てめぇら、うぜぇ。瑠樹に何か言うって事は俺に喧嘩を売るって事なんだろうな?」

豪が地を這うような低い声で怒鳴り付ける。



「「「ひぃぃ~」」」

ズザザッと大きく後退りした女の子達は豪に睨まれて、今にも倒れそうだ。


「豪ってば睨みすぎ」

クスクス笑ったら、


「あいつらウザすぎるだろ?」

と不機嫌に返された。


確かにウザいけども。



「ねぇ、君達、手間を取らせるなって言ったよね?うちの姫様を愚弄するとか何様?」

あらら?夏樹まで殺気を垂れ流してる。


「あかんあかん。レディーを苛めたら。女の子には優しくてしてあげんと」

ニヘラと笑って現れたのはタラシの大翔。


笑顔の大翔の登場に女の子達は、再びくだらない期待を持つ。


「そうですよね」

「私達仲良くしたいだけなんです」

女の子達は大翔に甘えるような声を出して懇願する。


時々、私を睨んでくる顔は無茶苦茶怖いのにね?



「へぇ~そうなんや。でもな?うちの可愛いお姫様を侮辱する前にあんたらは自分の顔鏡で見た方がえぇんとちゃう?」

優しい物言いだけど、しっかりと毒を吐いてる大翔に笑ってしまう。

しかも、目が笑ってないし、大翔。


あれが彼のキレた所だとわかる人間はそうはいない気がする。



「珍しい、あいつキレてる」

そう言ってクイッとビールを煽った豪。


いつも思うけど、普通な顔で飲んでるが、お酒は二十歳になってからです。


そこ、強く推奨したい!