あの日あの時...あの場所で






玲哉はリンゴジュースと豪の缶ビールを片手に戻ってくると、それを豪と私の間に置かれた小さなテーブルへと置いてくれた。


「もう少ししたらバーベキューしますからね」

と教えてくれる。


王凛のメンバーがせっせと用意をしてくれてるみたいだもんね。

さっき会った学と東吾もそこに居て、手に持ってた袋から材料らしい物を出していた。


あ、さっきのビニール袋は材料だったのね。



「私も何か手伝うことはない?」

皆に任せてばっかりじゃ気になるし。


「大丈夫ですよ。うちの連中で当番を決めてやってます。瑠樹さんは豪のお守りをお願いしますね」

と言われてしまう。


豪のお守りって...。


「...チッ」

豪は舌打ちしてるし。

しかも、こちらを見る顔は、どちらが子守りだかと言いたげだ。


ムゥゥ...言い返せないのが、ムカつく。


面倒を見てもらってるのが分からないほど、私は鈍感じゃないもんね。



「ま、しっかりと楽しんでくださいね。俺は少し掃除をしてきます」

そう言って黒い笑みを浮かべた夏樹は、こちらにやってこようとしてる女の子達を睨む。


掃除ッてそっちの方ね。


さっきから、このテントの周囲に野次馬があつまってるなぁとは思ってた。


しかも、女の子達なんて獲物を狙う獣の様な目付きだしね。


ま、豪や夏樹や大翔はかなりのイケメンだしね。

それに他の王凛のメンバーもそれなりに男前だし。

そりゃ、女の子寄ってくるよね。


ウザいけど。

私、睨まれてるし。

意味分かんないよね。


女の子達を追いたてに行った夏樹の背中からは黒いオーラが出てる。


「夏樹の絶対零度に勝てる勇者はいるかな?」

クスッと笑って高見の見物をする。


「んなの、居ねぇだろ」

意地悪く目を細める豪。


「だよね」

なんて返事を返しながら、スイカを食べた。