ポンと帽子の上に乗った豪の大きな手。
「頼むから、もう少し危機感持ってくれ」
じゃないと心配でたまらねぇ、と顔を覗き込む豪の眉が下がっていたから、
「分かった、ごめん」
と自然に言えた。
本当に心配してくれてるのが、分かるんだもん。
素直に従うしかないよね。
「よし、分かったらなもう良い。海に行くか。皆待ってる」
帽子の乗せてた手を下ろすと私に差し出した。
「うん。あ、ちょっと待って」
豪の手を掴もうとして手を止めと私は、ボストンバッグから取り出しておいたバスタオルと日焼け止めと小銭入れをバスタオルでくるんで胸元で抱き締めた。
それから、豪の手を取る。
この行為はもう自然に身に付いてる。
「お待たせ」
フフフと微笑む。
「ああ」
豪はゆるりと口元を上げると私の手を引いて歩き出す。
歩幅を合わせてゆっくりと歩いてくれるのは、豪の気遣い。
大きな体の豪だけど、凄く細かく気配りしてくれるんだ。
豪と一緒に屋敷の外に出れば、見覚えのあるメンバーがわらわらと居て、こちらを見て頭を下げたり手を振ってくれたりした。
手を振り返したりしながら、海水浴場までの道のりを歩いていく。
結構な人数の王凛メンバーが来てる事に驚いた。
「瑠樹ちゃ~ん」
聞き覚えのある声に顔を向ければ、そこには笑顔で手を振る学と東吾の姿。
二人の手には何かが入ったビニール袋が握られていて。
「二人も来たんだね」
と声をかけながら手を振り返す。
うんうんと頷く二人と、
「大勢の方が楽しめるだろ」
と隣で笑う豪。
「うん、そうだね」
頷く。
皆、楽しそうに笑ってるから私のテンションも上がっていく。
少し歩くと、そこには砂浜が広がっていて。
大きなテントと、既にセッティングされたバーベキューセットが目に入った。
椅子やシートもきちんと配置されてる。
「やっと来たやん。待たせ過ぎやし」
と言葉とは裏腹に笑ってる大翔がおいでおいでと手招く。
大翔のもう片方の手には美味しそうなスイカがあって、私に差し出すように前につき出される。



