あの日あの時...あの場所で






圭吾はそれを了承だと感じたのか、口元を緩めて話を始めた。


「彼女の名前は瑠樹.ジェンキンス、あ、名前は知ってるよね?」

意味ありげにこちらを見てるのも無視した。


「つい最近、王凛に転入してきた。転入当初から狼王の保護下にあるらしい。狼王は大切に守り囲ってるけど、本当の意味での寵姫ではまだ無いようだよ。まぁ、昨日の狼王の様子からして彼がお姫様を思ってるのは間違いないだろうけどね」

調べるのにちょっと苦労した、と笑う圭吾。

狼王の手で瑠樹の情報は上手く隠されてたんだろう。

いや、狼王だけじゃねぇか?あいつには咲留さんて言う最強の兄貴がついてるしな。


それでも、一晩でここまで調べた圭吾も大した奴だと思う。



「どうやって情報を集めたか知りたい?」

子供みたいにはしゃいで聞いてくる圭吾に、


「...どうでもいい」

と返してアクビを一つついた。



「んだよ...俺、久々に体張ったのに」

唇尖らせても知らねぇよ、俺は頼んじゃいねぇ。


「.....」

マジ、面倒臭せぇな?


眉間にシワを寄せながらも、瑠樹が狼王の手に落ちてない事を嬉しく思ってた。

出来るなら...誰のモノにもなって欲しくねぇ。


あいつの白い肌に触れて、柔らかい唇に触れるのは、他の誰でもなく俺であって欲しいだなんて、くだらない幻想を抱いた。


んなこと....ありえねぇのにな?




「情報欲しさに、可愛くもない女抱いたんだぞ」


「知らねぇよ」


「まぁ、あっちの具合は良かったから、プラマイゼロだけど。結構な名器だった」


「そんな報告も要らねぇ」


「変装までして南に潜入したのに冷てぇな」


「.....」


昨日、学校に戻ってから居なくなったと思ったら、んな事やってたのかよ。


っうか頼んでねぇし。

呆れた顔で圭吾を見た。


変装して、女を喰って情報は集めとか...何してんだ?


向こうにバレたら面倒臭せぇ事になってたかも知れねぇのに。



「ば、バレてないから大丈夫だって」

俺の心の中を見透かしたらしい。


「なら良いけど。南とは緊張状態にあるんだから、あんまり無茶するな」

この時期に全面戦争とか、お互いに犠牲者が出るだけで意味ねぇ。

それに...狼王の側に瑠樹が居るなら、慎重に成らざるおえねぇ。


あいつを巻き込む事はしたくねぇ。


それで、4校統一が遅れるとしてもな。