もう二度と会うことはねぇと思ってた瑠樹と、こんな形で再会をするだなんてな?
皮肉なもんだと自分を嘲笑う。
狼王の呼んだ名前に驚いて。
姿を見て、あり得ない!と驚愕した。
誰よりも大切な女がそこに居たから。
捨てた過去だと封印したはずなのに、一気に蘇った過去。
当たり前の様に狼王に抱かれるお前を見て心の奥で嫉妬が燃え上がった。
瑠樹を裏切った俺にはそんな資格なんてねぇ事は分かってても、どうしようもない衝動に襲われた。
『...瑠樹』
瑠樹と目が合った瞬間に思わず漏れでたあいつの名前。
『...柊』
名前を呼ばれた時、頭が痺れた。
瑠樹に触れたいと伸ばしそうになった手を必死で止めた。
数えきれねぇほど瑠樹以外の女に触れて抱いてきた俺の手は、瑠樹に触れることなんて許されねぇほど汚れてるのに、触れてぇと血迷った。
純粋で綺麗な瑠樹。
あいつを汚す事なんて.....出来ねぇ。
だから、狼王に連れられていく瑠樹を手放しで見送るしか出来なかった。
眉間にシワを寄せたまま、立ち上る紫煙を見つめ続ける。
不安定な俺の心の様に左右に揺れながら立ち上るそれは、天井に届く前に掻き消される。
心のモヤモヤもこんな風に掻き消すことが出来たなら、こんなにも苦しくねぇのにな。
最後に見た悲しそうな瑠樹の顔が頭に浮かぶ。
あれは、俺がさせた顔。
もう、俺には笑顔を向けてくれる事はねぇんだろな?
口元に浮かぶ自嘲的な笑み。
どうして....今さら、再会したんだろうな?
皮肉な自分の運命を呪った。



