あの日あの時...あの場所で








私達が戻ると車は再び目的地を目指して動き出した。


運転手さんは、差し出したお茶のペットボトルを笑顔で快く受け取ってくれた。


それに気を良くして、屋台で買った食べ物を食べ始めた。


「豪、焼き鳥美味しいね」

串を頬張りながら豪を見れば、同じ様に焼き鳥の串を頬張ってた。

しかも、缶ビール片手に。

っ てか、それいつ買ったのよ!


「ああ、美味いな?ビールには焼き鳥に限る」


「おっさんか!」

そう突っ込んだ私は間違ってない。


「うっせ」

グビグビと飲む姿に若さがない。

睨んでも本当の事だし。


「18でおじさん化してるのは不味いよ?」


「...チッ」

いや、何故に舌打ち。


「豪はさ。もう少し愛想よくした方がいい。私に笑ってくれるみたいに皆にも笑えば良いのに」

だって、本当は優しいのに誤解されちゃうのは勿体ない。


「...お前以外に笑う必要性はどこにもねぇだろ」

うっわ、今の台詞、ドキッとしたんですけど。


「でもさ。さっきのお姉さん達綺麗だったでしょ?勿体無くない」


「まったく、勿体無くねぇ。大体、あんな風に寄ってくる奴等に愛想振り撒いてたら面倒に巻き込まれるのは目に見えてる」

心底面倒臭そうに言われた。

まぁ、そうかも知れないだろうけどさ。


「ちょっと笑うだけで、豪はもっとモテモテになるのにね」


「これ以上モテたくねぇ」

自分がモテてる自覚はあるらしい。



「フフフ..モテ男は言うことが違うねぇ。よ、色男!」

パシッと空いた手で豪の肩を叩いたら、スッゴい顔で睨まれた。


「......」

ちょ、調子に乗りすぎたようだ。



「あ、これも食べよう」

隣から来る冷気に知らんぷりして、助手席に引っ掻けておいた袋がミルクワッフルを取り出した。


両手でモグモグと食べる。


「た...食べる?」

豪からの呆れた視線に耐えられなくなって、食べかけのそれを差し出してみた。


無言のままそれに噛みついた豪は「甘めぇ」 、と顔を歪めて苦笑いした。


緩んだ空気にホッとする。


「えぇ~こんなに美味しいのにぃ」

とミルクワッフルを頬張った私に、


「ま、太らねぇ様に気を付けろ」

と含み笑いした豪。


ちょっと、気にしてること言わないでよね。