一番欲しいプレゼント【短編】

 どう考えてもお返しをもらえないあたしは、どうあがいてもこの子たちには勝てない。

「じゃあ先に帰る」

「まてよ。麻子」

 寛があたしの手をつかむ。

「あたし失礼しますね」

 さっきの女の子が困ったように微笑んだ。

 あたしは彼女の笑みを見て、罪悪感を感じていた。

 あの子の前でこんな態度をとってしまったら、困ってしまうのは当たり前だ。

 でも、一度感じた苛立ちはなかなかおさまらなかった。

「あの子にはあげたのでしょう? なら、あの子と帰ればいいじゃない」

 あたしの視界がぼやけてきた。