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朝奇妙な事があったため、両親が出かけてしまった後あたしは1人落ちつかなった。


ソワソワと部屋の中を歩きまわり、玄関のポストになにも投函されていないことを、何度も繰り返し確認する。


今朝のチラシの中にはあたしには全く関係ない、男性向けのチラシなども混ざっていて、誰かのイヤガラセかもしれないと思い始めていた。


でも、誰の?


こんな手の込んだイヤガラセをするような人、思い当たらない。


あたしの知り合いはみんな学校の友達や近所の人といった程度で、交友関係はそんなに広くもない。


考えれば考えるほどわからなくなり、あたしはリビングのソファに深く座りこんだ。


「陽子、疲れているようだけど、大丈夫?」


蒼太が心配そうにあたしの顔を覗き込んでくる。


「うん……大丈夫」


あたしはそう返事をしたが、笑顔は作らなかった。