何度か空えずきを繰り返し、ようやくよろよろと歩き出す。


「大丈夫? 少し休もうか?」


恭子さんがそう言い手を差し伸べてくる。


あたしは雑に振り払い、断った。


もう、人を気にしている余裕もない。


今のあたしはきっと、ひどく醜いだろう。


タクシーまで戻ってくると、運転手さんは不安そうな表情であたしを見た。


「少し気分が悪くなったみたいで。でも大丈夫ですから」


運転手さんに気を遣い、恭子さんがそう言う。


そして車は走り出した……。