「その住所の場所へ行けば少しはなにかわかるかもしれないじゃん」


「でも……あたしと実紗が【彼氏人形】を購入したお店も、すぐになくなってしまいました。


周りのお店にも訪ねてまわったけれど、みんな何も知らなくて……」


「……そうなんだ……」


良子さんがあたしの言葉に、眉を下げた。


「ねぇ。それでも念のために行ってみない?」


そう言ったのは恭子さんだった。


恭子さんは柔らかな笑顔を浮かべている。


「あたしは、依子が【彼氏人形】を購入した場所を見て見たい。2人とも、ついてきてくれないかな?」


恭子さんにとっては、その場所は辛い場所なハズだった。


けれど、恭子さんは笑顔を絶やさずにそう言ったのだ。


あたしと良子さんは目を見交わせ、そしてうなづいたのだった。