そこに立っていたのは恭子さんだった。


「恭子さん……どうしてここに?」


あたしは驚いて目を見開く。


「良子から、実紗ちゃんの話を聞いて、ね……」


そう言うと、恭子さんの後ろから良子さんが姿を現した。


今までショックで何も考えられなかったため、2人が来ていたことにも気が付かなかった。


あたしは事情を知っている2人の顔を見たとたん、へなへなとしゃがみ込んでしまった。


「陽子ちゃん、大丈夫?」


恭子さんが慌ててしゃがみ込み、心配してくれる。


「大丈夫です……。ちょっと気が抜けちゃって……」


「大変だったね。その腕、【彼氏人形】にやられたんでしょう?」


良子さんがあたしの怪我に気が付いて、そう聞いてきた。


あたしは「そうです……」と、うなづく。


「このままじゃ本気でヤバイね。都市伝説は本物だったんだ」


「依子のこともあるし、真相を突き止めて止めなきゃ」


2人が真剣な表情でそう言う。


諦めかけていたときの希望の光。


あたしは泣きそうになるのをなんとか押しとどめて、2人に心から感謝したのだった。