あたしは慌てて2人にかけより、葵君の腕を掴んだ。


「うるさい! 実紗は俺の女だ!! 俺がどうしようが、勝手だろう!?」


葵君はそう怒鳴りちらし、あたしを睨み付けてくる。


「ダメよ! 実紗は誰の物でもないの! 実紗が嫌だって言うならやめてあげなきゃ!!」


必死でそう言うと、葵君が足を止めた。


そして実紗を見下ろす。


その冷たい表情にあたしは思わず身震いをした。


「実紗、お前は俺のことが嫌なのか?」


「それは……」


実紗が青い顔をしてうつむく。


「ちょっと、そんな言い方したら実紗も話ができないでしょ!?」


今までのずっと威圧的な態度をとられていたのかもしれない。


実紗は条件反射のように身を縮めていた。


これでは言いたいことだって言えなくなるに決まっている。