「その手紙を送った後、明君は自殺しているの」


「「自殺！？」」


あたしと実紗の声が静かな部屋に響く。


「えぇ。明君は最後まで手紙にその事を書かなかったけれど、転校先でもイジメられていたみたいなの。


中学生になってまで障害があることをからかう人はいなかったけれど、別の所から火だねが飛んできて、結局障害があることまで笑われるようになったみだい」


恭子さんはゆっくりと丁寧に話を進める。


時折悔しそうな顔を浮かべ、昔を思い出すように目を閉じた。


「火種って……？」


「同級生の男子が校舎裏でタバコを吸っていたんですって。


それを偶然見つけた明君が注意して、それが上級生だったみたいで目をつけられたのが、イジメのキッカケ」


「そんな……」


あたしは続ける言葉がなくて口を閉じた。
そして有里がタバコを吸っていたシーンを思い出す。