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商店街へ近づくにつれて、あたしの不安は徐々に変化していった。


外へ出ていろんな刺激を受けることで感情が左右され、今では人造人間に多少の興味が湧いてきていた。


それでも心の奥にたまった黒いモヤのような不安は徐々に徐々に溢れ出し、時折あたしの足を鉛のように重たくさせた。


昼間有里に言われた通り、あたしたちは商店街の裏通りへと入って行った。


パン屋さんの角を曲がり細い路地へ出るとアーケードが途切れ、商店街の音楽も小さくなる。


あたしと実紗は普段足を運ばないこの路地に少々緊張しながら、ゆっくりと歩いていた。


道は商店街にそって真っ直ぐに伸びていて、時折隠れ家的な喫茶店がある程度のなにもない場所だった。


「こんなところにショップなんてあるのかな?」


さすがに実紗も心配になってきたようで、眉間にシワを寄せた。


「すぐに見つからなかったら帰ろうね」


あたしはすかさずそう言った。


「そうだねぇ……」