その先には登校してきた実紗の姿があったのだが、その右腕には包帯が巻かれ、首から下げて固定されていたのだ。


その痛々しい姿に、あたしは反射的に実紗へ駆け寄っていた。


「実紗、一体どうしたの?」


少し青い顔をして実紗に聞く。


「うん……ちょっとね」


そう言い、実紗は曖昧な笑顔を浮かべる。


「ここじゃ話せないこと?」


小声でそう聞くと、実紗は小さく頷いた。


「わかった、じゃぁ移動しよう」


あたしはそう言い、実紗からカバンを受け取って実紗の机に置くと、2人で教室を出たのだった。