毎日来ていて偉い、と。 坂井さんに対して俺は思った。 それは見下していたのと同じ。 同罪。 足音がして、そちらを見るとボロボロと泣きながらこちらに歩いてくる彼女の姿。 「大丈夫? 泣く程痛い?」 良かった。ここに来てくれて。 彼女は口を開いた。 「今まで言われた言葉で、一番印象深いのは?」 突然の質問に坂井さんは首を傾げる。ふと俺に視線が逸れて、穏やかに微笑まれた。 「って聞かれた時に、プラスの言葉がすぐに思い浮かぶと良いよね」