「文弥くん!私、夕飯作りに行こうか?」
案の定、天然真っ直ぐ少女は何の考えも無しの提案をしてきた。
普段”文弥くんは少し天然なとこがあるから”なんて言ってる舞だけど
2人が付き合い始めてからというものの
”本当のド天然”は実は、舞自身なのではと疑い始めた私。
その疑念は・・・やはりビンゴだったようだ。
「な・・・」
ほ~らね、堅物くん。
その名の通り、石のように固まっちゃったじゃん。
うんうん。心情お察しいたします。
純情ボーイ堅物くんのリアクションは決して間違ってないから。
んで舞の方は、というと・・・そこはかとなくの使命感に燃えてる感じだけど
まったく!!
男の1人暮らしの家にホイホイと上がり込もうとするんじゃないの!
と、まあ・・・さすがに彼氏の前でハッキリそう言える訳もなく
「ねえ、舞?・・・佐伯くんの家、誰もいないんだよ?」
それとなく遠回しに進言してみたのだけど
「うん!だから私が文弥くんの力になりたいの!」
「・・・」
だめだ。
この子、男心ってもんをまったく理解できてない。

![【完】ズルい瞳[短編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.944/img/book/genre1.png)