そんなこんなで風紀委員の副委員長を任命され、私は晴れて校内でも堂々と文弥くんの隣を歩くことが出来た。
手を繋いだり、腕を組んだり・・・さすがにそんなことは出来ないけど、学校で文弥くんと一緒の時間を過ごせなかった、これまでの時間を思うと
最高に贅沢な時間だ。
「文弥くん、今度はどんな用事?」
「はい。没収した物を返却する作業です」
「そっか」
こうして文弥くんと行動を共にしてみてわかったこと。
やっぱり風紀委員のしかも長ともなると、忙しいことこの上ない。
休み時間に文弥くんを教室で見かけることがなかったことも大いに頷ける。
だけど、私にはちょっと気がかりなことがあった。
「文弥くん、お昼食べた?」
文弥くんは毎回、私がお昼ご飯を食べ終わったのを見計らうようにしてやってくる。
だけど、その文弥くんがお昼ご飯を食べるところを私は見たことがない。
教室にいつもいないから、屋上とか裏庭で1人食べているのかとも思っていたけど
どうも、そんな感じではなさそう。
「え・・・あ、はい。簡単に済ませました」
そう答える文弥くんの顔は、どこかよそよそしい。
「・・・ほんと?」
やっぱり怪しい。

![【完】ズルい瞳[短編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.944/img/book/genre1.png)