そして、ふと気づく。
屋上には2人っきりだってこと。
「・・・」
「・・・」
文弥くんも同じことを思ったのか、あからさまに視線を泳がせ始めた。
「ふ、文弥くん・・・あのね」
「は、はい」
学校でこんな風に2人っきりになることなんて
最近では滅多にないことだったし、何より
デートすらままならなかったことで
私の文弥くんイチャイチャ潤いの泉は既に干ばつ状態。
少しでいい。
文弥くんとの甘い甘~いチャージタイム、私にください!!
だけど
「舞さん、少しだけ抱きしめさせてもらっても・・いいですか?」
「え」
「ここ最近、舞さん不足だったので・・・少し元気もらってもいいですか?」
まるで以心伝心したかのよう。
真っ赤な顔した文弥くんが戸惑いがちに、その腕を伸ばしてきた。
「はい、喜んで。少しと言わず、たっぷりとね?」

![【完】ズルい瞳[短編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.944/img/book/genre1.png)