次の日。
「ごめんなさい」
教室の廊下に佐伯くんを呼び出し、私は深々と頭を下げた。
昨日の委員会を無断欠席したことと、それによる多大な心配をかけてしまったことへの謝罪だ。
「いや、こちらも変に取り乱してしまって申し訳なかったです。胡桃沢さんの携帯の番号を知らなくて……委員の仲間にもだいぶ迷惑をかけてしまいました」
朝、その友達から声を掛けられ
昨日の佐伯くんの相当な慌てぶりを聞いた。
また、そんな姿を目の当たりにした委員の誰もが驚いていた様子も。
佐伯くんと特別な関係なんじゃないのか、とも冗談交じりに小突かれたりもしたけど。
そんなはずはない。
「しかし、欠席するならすると僕に一言連絡して欲しかったです」
「お、仰るとおり」
「次回からは気をつけて下さい」
「うん、ごめんね」
ここは素直に頷く私。
それなのに
「…………」
佐伯くんは何故か目を見張り、キョトン顔。
「なに?」
「あ……いや、貴女にそう素直に言われると面食らうと言いましょうか……何故か不思議な気持ちです」
「………」
う……。
こんな素直な私は珍しい、ということ?
何気に傷つくわぁ。

![【完】ズルい瞳[短編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.944/img/book/genre1.png)