「あの、三上さんに聞きたいことがあるんですけど」


 「何?」

よく晴れた朝、恋人の柴谷は朝食のみそ汁をすする私に控えめに尋ねた。
 
「三上さん、ズボンの中に何か入れてるんですか?」

「ぶふっ」
 
私は飲みかけたみそ汁を噴いて咳き込んだ。

 「あ、ごめんなさい。私、変なこと聞いてしまいましたね」

 彼女は慌てて台拭きでテーブルに飛び散ったみそ汁を拭いた。

 「昨日何かあったかな」

 ティッシュで口のまわりを拭きながら彼女に尋ねた。激しく咳き込んだせいで顔が熱い。