午前6時30分、起床。

ベッドからむっくり起き上がり、そして数歩先の窓際に立つ。シャッと小気味いい音を鳴らして勢いよくカーテンを開けば、朝の陽光が俺の目を心地よく刺激する。

両腕を思いっ切り天井へ伸ばして、ぐうんと全身を縦に引っ張った。


本日は晴天なり。実に気持ちのいい朝だ。


窓の外をしばらく眺める。

初老の男が、飼い犬の排泄物を処理中だ。その横を、ジャージ姿の若い男が、軽やかに駆け抜けていった。


平日早朝、いつも目にする光景だ。


寝室の開き扉を開けリビングへ一歩踏み出せば、隣接するダイニングキッチンから、味噌汁と焼き魚の香りが漂ってきて、俺の食欲を覚醒させる。

キッチンに視線を移せば、ガス台に向かって立つしなやかな女の後ろ姿。俺の性欲もここで覚醒……しそうになるけど、朝っぱらから節操ないのもどうよ? と自分自身に言い聞かせて押し殺す。


だって俺、もうすぐパパになるんだし、ね。