「あ、そうだ。相原くん」

蘭さんがぱっと俺を見た。

「何ですか?」

「もっとね、虹を紡いだ方がいいわよ」

「はい?」

「吹くときに、虹を紡ぐの。わかるでしょう?」

「はあ……」

どうやら真剣に言っているらしい。

残念ながら、抽象的すぎてわからない。

俺が馬鹿だからか?

とにかく、蘭さんは不可解な言葉と天真爛漫な笑顔を残して行ってしまった。