学校に着き音楽室に入ると、まだ七時半だった。

しかし、もう何人か来ていた。

茉莉花先輩もいて、手を振られた。

「あ、啓介くん! おはよう、早いのね。気合い入ってるんだ」

「おはようございます」

「今日で引退とか、ほんと全っ然実感わかない。引退したくないよーっ」

俺も、全然実感わかない。

茉莉花先輩が高校三年生だってこと自体、変な感じがするくらいなんだから。