次の部活の時。

俺は、この前と同じように桐谷先輩に連れ出され、グラウンドの正面の校舎の影にいた。

今日はサッカー部も活動していて、賑やかな声が響いていた。

ロングトーンとかいう、ずーっと音をのばす基礎練を二人でしていると、長瀬が俺を見つけて手を振った。

俺は、吹いていて手が振れないかわりに、にやりとしてやった。

ロングトーンが終わった後、桐谷先輩がたずねた。

「さっき手を振ってた人、知り合い?」