「…………ねえねえ、大きな黒猫さん」


「………………」チラッ


「それ、松前さんのお店のお肉なんだよ?」


そう言ってはみたものの、言葉が通じるはずはなく、黒猫は黙々と肉を貪り続けます。


……というか、いつまでもここにいても仕方ないよね。
私も早く帰ってプリン食べよ!


放っておけない気持ちもあったけど、明日も仕事だしプリン食べて早く寝なきゃ!


「じゃあ、私は帰るね!もうお店のもの盗っちゃ駄目よ」



肉を食べ終えた黒猫が、私と同時に立ち上がりました。


そして、くるりと向きを変え、歩き始めたのですが……


なんだか歩き方が、少し変。